2014年3月2日日曜日

論文を読もう

車好きに限らず、さまざまな趣味でお互いの主張がぶつかることってよくあると思います。

しかし車好きのぶつかり合いは特に酷い気がしてなりません。なぜだろうと考えてみたのですが、どうやら双方共に正しい知識を得ていないことが原因のようです。

今回は、「正しい知識とは何か」「どうやって得るのか」について書いてみました。

正しい知識とは何か

何をもって正しい知識とするかですが、機械であれば科学的に実証された事が正といえるでしょう。科学的に実証とは、仮説から始まり、実験、検証、再現という手順を踏んで誰がやっても同じ結果が出る自然の摂理だと証明された状態です。

これらには大変なお金が掛かります。そこらの整備工場の「シャシダイで検証しましたー」とはレベルが違います。あらゆるセンサーを使用し物凄く厳密にイコールコンディションで測定されます。

従って我々素人がいくら口上を垂れ、実際に加速がよくなったんだと主張したところでそれはなんの証明にもなっていないことを知らなければなりません。

しっかりと検証された技術は、我々が触れられるような既存の物の場合、論文として明確に文書化してあります。また更に古い仕組みの場合は書籍としてまとめられているでしょう。

このように、正しい知識と言うのは莫大な労力と費用と時間を費やして研究者たちが必死に解き明かしてきたものです。それらを雑誌一冊やネット検索で得られると考えるところに過ちの一端が垣間見られます。


どうやって得るのか

もっとも確実なのはベテランの開発者に聞くことですが、それは非現実的です。やはり基本は論文と書籍です。

論文はすこし見つけづらいかもしれませんが、あるところにはあります。ネットでも上手に検索するとPDFで閲覧できるものが出てきます。

書籍を選ぶ際は、カーグラフィックやモータファンではだめです。雑誌は紙面の都合や可読性を重視して内容が編纂されてしまっています。また書いているのがエンジニアではなくライターであることも信用を落としています。

出来れば学術書、或いはそれに準じたものでも著者をしっかりと選べば信頼できる知識が得られるはずです。著者がどんな環境でどんな研究開発を行っていたのかをみて書籍を選びます。有名な完成車メーカーで自動車エンジン開発をしていれば信用できますが、例えばずっとサービス(メカニック)でやってきたという経歴であれば、整備に関しては信頼できますが技術に関しては信頼すべきではありません。

これらの資料は用語も難解で読むだけでも大変です。未知の事を学ぼうというのですから当たり前です。

そこまでする必要はあるのか

ありません。

趣味なのだから楽しくやりたい。小難しいことを抜きにしよう。と言う意見には大いに賛成です。上述した苦労は研究者の仕事であって趣味として嗜む人間の仕事ではありません。

ただし、得られる知識もそれ以上にはならないことを肝に銘じておくべきです。
自分の知識は誤っていたり表面的であったりすることを自覚し、より高次の知識に触れた際にそれを真摯に受け止めることが出来ないのであれば、やはり口を慎むべきです。

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